パナソニック支払期間変更と資金繰り悪化

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パナソニックが支払期間延長を要請しており、電機メーカーは自動車業界より支払条件が非常に悪いです。パナソニックやNECなどの支払い条件悪化で、下請企業に資金繰り悪化が広がるのか注目ですね。


(1)パナソニック経営失敗とラッキー

パナソニックは経営失敗により、2兆円以上の資金が失われ資金繰りが大きく悪化しました。パナソニックは新規社債発行が困難になったため、手元資金の不足を埋めるために、6000億円の銀行借入契約を行っています。

パナソニックはリストラにより、保有資産の現金化や人員削減を行っていますが、たまたまアベノミクスにより不動産価格と株価が上昇しました。パナソニックは、運良く資産売却が好調に進んだため、ラッキーな会社であることが分かりますね。

(2)パナソニックが仕入先に支払い期間の延長を要請

パナソニック支払い期間の変更とリストラについて、2013年8月21日のダイヤモンド・オンラインが、“大親分”の必死の資金改善策 パナソニックが支払い延長へを報じているので見てみましょう。
  1. 2013年7月上旬 大阪の説明会
  2. パナソニックの主な資材メーカーの担当者を集める
  3. 支払い条件の見直しと それに伴う支払手段の変更のお願い
  4. 2013年今秋から購入代金の支払期限を30日間延長の要請
  5. 従来の支払い期間 105日間(90日間+翌月15日入金)
  6. 従後の支払い期間 135日間 約1カ月間の延長
パナソニックのような大手企業が取引先に支払い期間を延ばすことは、優越的な地位の乱用と言われることがありますが、支払い期間が非常に遅いですね。

パナソニックの2013年3月期連結売上高は7兆3000億円、売上原価が5兆4000億円ですので、単純に1ヶ月で考えると4500億円近くを取引先に押し付けたことが分かります。パナソニック経営陣は、取引先に押し付けて確保していた手元資金を、経営失敗で喪失したことが分かりますね。

(3)パナの取引先で新たに資金繰り調達が必要に

  • パナソニックが経営失敗で資金繰り難
  • パナソニックが取引先に支払い期間を1ヶ月遅らせる
  • パナソニックの取引先は1ヶ月分の資金調達を新たに行う必要がある
パナソニック役員退職金18億円でリストラされることが話題となりましたが、パナソニックに顧問として居座っていますが、経営失敗の影響を取引先が背負わされています。

パナソニックの無責任な経営者により、取引先が尻拭いさせられていますが、パナソニックとの取引1か月分の資金調達を新たに迫られたことになりますね。

(4)パナソニックとNECの支払条件と自動車業界の比較

  1. 会社の説明 今回の契約の見直しは、あくまで同業他社と同レベルの水準にするもの
  2. 説明会資料に国内競合メーカー7社の支払期限(120~150日間)比較のグラフを作成
  3. NEC2013年6月の説明会 195日に支払期限の延長
  4. 自動車業界の大手メーカーの支払期限 平均30~60日間
パナソニックとNECは資金繰りが大きく悪化しており、社債を発行できないくらいに格付けが悪化していることを考えると、驚くくらいに取引条件が悪いことが分かります。

自動車業界は、原価削減や技術水準が高いことが指摘されていますが、パナソニックよりも自動車業界の支払条件が非常によいことが分かります。

(5)パナソニックが債権流動化を考慮

  1. パナの一部取引先メーカー 契約変更に応じないと、取引が難しいと示唆された
  2. 取引先の債権流動化のために旧来の手形取引を、電子記録債券システムに振り替え
  3. パナソニック 今年度に約1000億円の資金創出を目指す
  4. パナソニックやNECの支払期限延長で下請けに大きな影響がでる可能性がある
パナソニックなど電機業界の支払条件は悪いですが、パナソニックは債権流動化による資金繰りを考慮しているようですね(ダイヤモンドの債券流動化は字間違いと思います)。大手電機メーカーが支払い期間を延ばすということは、大手電機メーカーの格付け低下による債権の劣化と合わせて、下請けが資金繰りに苦労するということですね。

銀行の経営改善とアベノミクスにより融資は積極的になっていますので、優良企業は問題なさそうですが、電機業界に大きな影響がでるかもしれませんね。パナソニック中間配当予想と復配を見ると、パナソニックの資金繰りが改善していることが分かります。パナソニックは、取引先の販売条件変更や手元資産の売却で、手元資金を確保しており配当復活が行えるようになっています。

パナソニック2014決算黒字の理由をまとめましたが、パナソニックは業績が回復しており、リストラに一定の目処をつけたことが分かります。パナソニックの支払期間変更は、取引先に大きな負担となっていますが、新規市場開拓により下請けと共に成長できるのか注目ですね。
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